芥川賞は退屈でおもしろくないから頼まなくなった。
それが今回「推し燃ゆ」を予約したのは、主人公が女子高校生で、からっとした青春小説を期待したから。
驚いたのは、図書館のカウンターで、1冊の本では無く、「文藝」の秋号が出てきたこと。
なんと、芥川賞作品がまだ本になっていないのか・・・
あれ、紹介文がなんか予想と違うぞ・・・
宇佐見りん 推し、燃ゆ (150枚)
逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。学校生活も家族関係もままならない高校生のあかりは、アイドル・上野真幸を解釈することに心血を注ぐ。祈るようなその暮らしが、ある日、彼がファンを殴って炎上し、揺らぎ始める。デビュー作「かか」が三島賞候補の21歳、圧巻の第2作。
なんと「推し」とは、自分のひいきするアイドルを表す言葉なのだ。
始まりはこうだ。
ー 推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。 ー
燃えるというのはどうやら、SNSで炎上したということらしい。
AKB48などでCDを1枚買うと1票の投票権があるので、一人で何万円もCDを買い投票するというファンの心理。
この小説を読むとその心理が詳しく描写されていて、なるほどと思うところがあった。
正直、最初はやはり芥川賞はおもしろくないな・・・と思いながら読んでいたが、途中から引き込まれた。
高校を中退し、就職もしないでアイドルを追いかけていたら、親がしびれを切らすのも当たり前で、父親が「いつまでも養うわけにはいかない。期限を区切って就職できるようにがんばってみよう。」みたいな提案をするあたりは、なんだか人ごとではないなと共感した。
いったいこの子はどうなってしまうんだ?
きっと、這いつくばりながらも自分の生きる道を見いだし、力強く歩み始めるのだろうと思わせるラスト、なのかな?
京都府舞鶴市の中筋小学校体育館を中心に活動している中筋Jrバレーボールクラブです。なかなか勝てない弱小チームですが、何とか市内でベスト4に入れるように頑張っています。
ラベル:芥川賞