2021年03月28日

芥川賞「推し燃ゆ」

図書館で予約するのは、本屋大賞と直木賞の作品。

芥川賞は退屈でおもしろくないから頼まなくなった。

それが今回「推し燃ゆ」を予約したのは、主人公が女子高校生で、からっとした青春小説を期待したから。


驚いたのは、図書館のカウンターで、1冊の本では無く、「文藝」の秋号が出てきたこと。

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なんと、芥川賞作品がまだ本になっていないのか・・・


あれ、紹介文がなんか予想と違うぞ・・・

宇佐見りん  推し、燃ゆ (150枚)
 逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。学校生活も家族関係もままならない高校生のあかりは、アイドル・上野真幸を解釈することに心血を注ぐ。祈るようなその暮らしが、ある日、彼がファンを殴って炎上し、揺らぎ始める。デビュー作「かか」が三島賞候補の21歳、圧巻の第2作。


 なんと「推し」とは、自分のひいきするアイドルを表す言葉なのだ。

始まりはこうだ。

 ー 推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。 ー

 燃えるというのはどうやら、SNSで炎上したということらしい。

 AKB48などでCDを1枚買うと1票の投票権があるので、一人で何万円もCDを買い投票するというファンの心理。

この小説を読むとその心理が詳しく描写されていて、なるほどと思うところがあった。


正直、最初はやはり芥川賞はおもしろくないな・・・と思いながら読んでいたが、途中から引き込まれた。

高校を中退し、就職もしないでアイドルを追いかけていたら、親がしびれを切らすのも当たり前で、父親が「いつまでも養うわけにはいかない。期限を区切って就職できるようにがんばってみよう。」みたいな提案をするあたりは、なんだか人ごとではないなと共感した。

いったいこの子はどうなってしまうんだ?

きっと、這いつくばりながらも自分の生きる道を見いだし、力強く歩み始めるのだろうと思わせるラスト、なのかな?







ラベル:芥川賞
posted by にしやん at 12:45| 京都 ☔| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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